お子様の矯正は必要に応じて永久歯が生え揃う前から治療を開始する「I 期治療」と、永久歯が生え揃ってから行なう「II 期治療」があります。
お子様の状態で、次の4つに分けられます。
お子様の不正咬合がどのような状態なのか、いつ・どのような治療が必要になるのかをあらかじめ把握して、最適な時期に治療を開始できるように、まずは矯正医にご相談下さい。
患者様の症状:上顎骨の成長が大きく、奥歯の咬み合わせがズレています
治療方針
9歳で来院時に骨格的な上顎前突と診断し、I 期治療を開始しました。ヘッドギアを装着して上顎骨の成長を抑え、奥歯のズレを治してⅡ期治療の質を高めるための準備をしました。
その後、永久歯萌出後、上顎第一小臼歯、下顎第二小臼歯を抜歯して治療を行いました。
このケースでI 期治療を行わずに大人になってから矯正治療を行うと、抜歯の本数が増えたり、治療期間が長期になる、良好な治療結果が得られなくなることが考えられます。
▼側貌
初診時
II 期治療開始時
矯正治療終了時
▼初診時
▼II 期治療開始時
▼矯正治療終了時
結果
上顎の前突が改善して歯並びも整いました。咬み合わせも正しい状態になって、きれいな横顔になっています。
患者様の症状:上下顎前突(歯並びが悪く、口元が突出しています)
治療方針
歯並びと側貌の改善が主訴で来院されました。検査診断したところ、早期に解決しなければならない問題は見られず、I期治療の必要はありませんでした。永久歯列萌出まで年に1度の定期観察を行い、5年後12歳で永久歯列が完成したので、抜歯を併用して、スタンダードエッジワイズ法にて矯正治療を開始しました。
▼側貌
初診時
矯正治療開始時
矯正治療終了時
▼スマイル
初診時
矯正治療開始時
矯正治療終了時
▼初診時
▼矯正治療開始時
▼矯正治療終了時
子供の矯正治療のポイント
矯正治療開始の時期が早いほど、顎の成長予測や萌出する歯の大きさの予測は困難で、治療方針の確立や予後の推測が難しくなります。全てを把握できる時期に開始することが確実な治療に繋がると考えると、Ⅰ期治療はメリットがある場合にのみ行うべきと考えられるのではないでしょうか。
結果
初診時7歳でしたが、側貌の改善を目標に治療した結果、歯並び、咬合は改善され、ご希望通りの整った側貌が得られました。ご本人ご家族も治療結果に非常に満足しておられるようです。
子供の矯正治療のポイント
お子様の矯正治療は、治療を始めるのに最適な時期を見極めるのが重要です。
Ⅰ期治療は必ず必要というわけではなく、症例によってⅠ期治療が有効と判断される場合のみ行います。こちらのケースでは、Ⅰ期治療を行うことにより本格的な矯正治療が軽減されたり、治療期間の短縮が考えられたので、治療を行いました。
“Ⅰ期治療について”