矯正科では、第一に患者様の御希望を伺った上で、将来の具体的な「矯正歯科治療の目標」を立てていきます。その「目標」を達成するために、今どのような(歯科)治療が必要なのかを考えるのです。
症例によっては、始めから一般歯科や口腔外科などの先生と連携をとって治療計画を立てることもあります。目指す歯並びを実現するための、必要で最小限な治療に収めることが効率的だと考えていますから「いつかは矯正歯科治療を」とお考えの方は、まず、矯正歯科にご相談になってはいかがでしょうか?
大人の方の矯正歯科治療も基本的には10代の方のものと変わることはありません。
一般的な症例の動的治療期間(装置をつけて実際に歯を動かしている期間)は2年前後となります。
しかし、中には複雑な症例や親知らずを使用する症例などがありますので、その場合には抜歯部位や治療期間が変わってきます。
当院の矯正治療例は、以下のページからご覧ください。
Q大人の歯は動きにくい?
「大人の矯正歯科治療は子供に比べて骨も硬くて、歯が動きにくそう。色々治療もしてあるから難しいのでは」と思っていませんか?確かに骨の代謝や適応能力という点では発育旺盛な子供にはかないません。しかし、あきらめるのは早いというものです。
矯正歯科治療による歯の移動は、ワイヤーやゴムによる矯正力を歯根膜と呼ばれる歯の根のまわりの線維に作用させることにより可能となります。むし歯の治療で神経がとってあっても、金属やセラミックの冠が被せてあっても、歯と歯を取り巻く(歯周)組織が健康ならば、何歳になっても矯正歯科治療を行うことはできるのです。
また、すでに歯を抜いてしまったところがあったとしても、最適な方法を見つけて治療を進めていきますから、あきらめずにまずはご相談になってみてはいかがでしょうか・・・。
矯正歯科治療はブラッシングやお口の中にゴムをかけるなどの患者様の協力なしには成り立たない治療です。大人の方の矯正歯科治療にかける前向きな姿勢は治療を成功に導くのに有効な要素と考えていますから、頑張ってチャレンジしてみてはいかがでしょう。
Q矯正歯科治療を始める前に虫歯の治療は済ませておくべき?
矯正歯科治療を始める前にあらかじめ歯科治療を済ませてからこられる方がいらっしゃいます。もちろん日頃からの歯のメインテナンスは大切です。しかし、ちょっとお待ち下さい。
矯正歯科治療では、症例によって歯を抜くことがあります。治療に通って貴重な時間と高額な治療費をかけた歯が抜歯の対象にならないとも限りません。
急を要する治療の場合を除き、矯正歯科の先生とご相談されてからのほうがよろしいでしょう。
Q親知らずの抜歯は済ませておいたほうがいいの?
「親知らず(第三大臼歯)の問題は注意が必要です。
親知らずは通常18から20歳ぐらいの年令で萌出してきますが、そのほとんどが萌出場所不足のため、炎症を起こす原因になるとも考えられているために、抜歯の対象となっています。矯正科に来院されたときにはすでに抜歯が済んでいることも多いのですが、現在の矯正歯科治療では第三大臼歯を使う治療方針をとることも珍しくありません。症例にもよりますが、第三大臼歯がないばかりに最適な方法を断念しなければならないというのはとても残念なことです。