矯正治療で歯を動かす際に、大切なポイントを3つご紹介します。
これらのポイントを踏まえた治療を行うことで、美しく健康な歯並びと口元をつくることができます。
治療前
治療後
※治療結果には個人差があります。
お顔の大きさや形が人それぞれ異なるように、歯の大きさ、形、歯列の形態も様々です。それぞれの大きさや特徴を把握し、矯正歯科治療の要であるワイヤーにその特徴を再現させながら、患者様それぞれの目標に向かって丁寧に歯を動かしていくことが矯正歯科治療を成功に導くと考えています。
矯正科が直接ワイヤーを屈曲するオーダーメイドの治療を「スタンダードエッジワイズ法」と言い、当院ではすべてこの方法で治療を行っています。技術と経験が必要なテクニックですが、緻密に綺麗に歯並びを整えることができます。
抜歯を必要とする症例では、抜歯により得られた大切なスペースをいかに有効に使うことができるかによって、治療の善し悪しが決まります(抜歯・非抜歯についてのページもご覧ください)。
例えば、上顎前突のような症例で前突している前歯を後退させる為に小臼歯を左右で2本抜歯するような場合、抜歯して得られるスペースは1カ所につき、ほんの7ミリ程度です。
そのスペースは叢生(歯のでこぼこ)をほどくのにも使用されるため、前歯を後退させるために使えるのはその残りの量となります。言い換えれば、その分だけ口元を変化させることができるということです。
もし、毎月1ミリずつ大切なスペースを失うようなことになれば、わずか半年間で前歯を後退させるはずのスペースは失われてしまうことになります。私たちは皆さんが勇気を出して抜歯を行い、矯正歯科治療に挑まれた努力を無駄にしたくないと考えています。
歯は見えているところだけ並んでいればいいですか?いいえ、歯槽骨(顎の骨)の中の“歯根の並び具合”についても考慮しなければなりません。顎の骨の中で歯根がどのような角度で植立しているかということです。歯槽骨の中でも一定の間隔で均等に並んでいることが望ましいといえます。
傾いたままの状態で咬み合わせの力が加わると歯や歯槽骨にかかる負担が大きく、歯と歯周組織に次第にダメージを与えることになります。また、傾いたまま隣り合う歯根どうしがぶつかっている状態は歯根の吸収を招くこととなります。
並べられた歯並びが一生を通して良い状態を保つためには、見えるところだけではなく、歯槽骨(顎の骨)の中の歯根の配列にも気を配る必要があると考えています。